久し振りの小雨が降る中、お客様をご案内して宿の裏山へ「らくちん散歩」にでかけた。今の時期のお目当てはカタクリの群生地だ。
玄関を出ると石畳の道が雨に濡れて、利休ねずみ色に変わっていた。玄関脇の藤棚には餌台がありヒヨドリが遊びに来るが、今日は見られず残念。
早春の青竹が目に鮮やかな竹林の中の道を登る。雨に濡れた落葉の感触がなんとなく心地よい。
竹林を抜けて雑木林に出ると、あたりが急に明るくなる。ミズナラ、シデ、イヌブナの若葉がうっすらと薄緑色に色づいている。
七つ釜沢にかかる大滝の展望ポイントに出ると、昨夜からの雨で普段より立派な滝になっている。ふと足元を見る。「あった。」カタクリだ。そこにも、ここにも。独特なまだら模様の大きな葉の真ん中に、可憐なピンクの花をつけている。
下り始めた遊歩道の下。土手にはびっしりと群生していた。眼下の湯宿温泉の町は春雨にかすんでいる。30分間のミニミニ自然観察会だった。
カタクリの花は4月20日頃まで楽しめます。 熊五郎
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